「今日もペットショップに行かへん?」
10年前、共働きだった私たち夫婦のささやかな週末の楽しみは、近所のペットショップをぶらりと訪れることでした。
特に動物を飼う予定があったわけでもなく、お店にやってきた子犬や子猫たちが新しい家族に迎えられていく様子を、ただ微笑ましく見守るだけ。「かわいいね」「よかったね」と言い合いながら、癒しの時間を過ごしていたのです。
突然の出会いーー
そんなある日、ふと目に飛び込んできたのは、小さなケージの中で元気いっぱいに遊ぶ子猫。生後2ヶ月くらいの、スコティッシュフォールドの男の子。ピンとした”立ち耳”が愛らしく、くりくりの大きな瞳とクリーム色のしま模様がとてもキュートでした。

その瞬間、まるで稲妻に打たれたような衝撃が走りました。「一目ぼれ」とは、まさにこのこと。心臓がドキドキして、胸の奥が熱くなる――そんな感覚。少しだけ抱っこさせてもらったものの、当時から「抱っこは断固拒否!」の姿勢は健在で、それは今も変わりません(…苦笑)。
実は、それまで夫婦の間で「猫を飼おう」と話したことは一度もありませんでした。だからこそ、「あの子を迎えたい!」という気持ちを夫にどう伝えればいいのか、悩みに悩みました。もし「ダメ」と言われてしまったら、その時点で夢は消えてしまう…。そんな思いから、私は一週間、悶々とした日々を過ごすことに。大事な仕事の出張があったのに、気持ちは完全に“うわの空”でした。
そして、ついに一週間後。
思いきって夫に気持ちを打ち明けると、夫はすでに私の心の中を見抜いていたようでした。「もし、あの子がまだお店にいるなら、うちに迎えよう」と言ってくれたのです。
二人でドキドキしながらお店に向かうと、あの子はケージの中で相変わらずおもちゃと格闘中。まだ新しい家族が決まっていなかったことに、心からホッとしました。
そして家族にーー
こうして、私たちはミッキーを家族として迎える名乗りを上げることができたのです。もちろん、我が家には猫グッズなんてひとつもありません。その日すぐに連れて帰ることはできませんでしたが、一週間かけてご飯のお皿やトイレ、ケージなど、必要なものをひとつひとつ揃えました。そして、満を持して迎えに行ったあの日。新しい家族を迎えるワクワクと、これから始まる生活への緊張は、今でも鮮明に覚えています。
こうして、ミッキーは私たちの家族になりました。あの日の出会いが、今も私たちのかけがえのない宝物です。
ちなみに「ミッキー」という名前は、みなさんが思い浮かべる夢の国のキャラクターからいただきました。『ずっと大事に、ずっと大好きな存在として育てる』――そんな思いを込めて名付けたのです。
“スコティッシュフォールド”という品種について思うこと
恥ずかしながら、私たちは“スコティッシュフォールド”という品種をそれまで詳しく知りませんでした。テレビCMやYouTubeで見かける子たちは“折れ耳(たれ耳)”が多く、丸い顔と大きな瞳、短い足とずんぐりした体型が特徴的ですよね。
“折れ耳”が人気のため、ペットショップでも耳の形によってかなり値段に差があるようです。(実際は全体の約7割が立ち耳です)
ミッキーは“立ち耳”で、ピンと立った耳が何より印象的でした。ミッキーを迎える際、ペットショップの方から「この子の耳は将来的に折れる(たれる)ことはありません」と何度も念を押されましたが、知識のない私たちは「何のこと?」とポカンとしていました。
【スコティッシュフォールドが抱える問題】
今となっては、“スコティッシュフォールド”が抱える問題についても知るようになりました。かわいい(=商売になる)からと、無理な繁殖で折れ耳の子を増やす悪質なブリーダーがいること。
“折れ耳”は骨の異常によるもので、骨や関節の病気になりやすいこと。そのほかにも、関節炎や心疾患、肥満、泌尿器系の病気にかかりやすい傾向があるそうです。
私たちは”ミッキー”という家族とペットショップで出会ったので、ペットショップの存在自体を否定することはできません。ただ、今となっては保護ネコから優先的に家族が決まるような仕組みであることが望ましいと思います。
どうか悪質な業者がいなくなり、健康管理や繁殖管理について理解と配慮ができるブリーダーやペットショップだけが動物を扱える世の中になってほしいと、心から願っています。
(ミッキー君の子ネコ時代…一瞬で大きくなってしまったので貴重な写真です!)






コメント
なるべくして家族になったという感じで
気持ちを察していた旦那様も素晴らしい
ワクワクして準備される姿が思い浮かんでポヤポヤと温かい気持ちになりました
子ミッキー、貴重な姿可愛いです
ありがとうございます(*´∀`)
みやさん、ありがとうございます。それまでワンちゃん、ネコちゃんと暮らしたことがなかったので、何もかもがはじめて。最初の数日は緊張気味に接していたと思います。 子ミッキー、写真のように小さかった時代は2、3か月くらいしかなく、栄養満点のフードで一瞬で大きくなりましたね。なつかしい~ww
キャーかわいい!!
ピンクのお鼻がたまらんねえ( *´艸`)
おっきくなった姿しか知らんからこれは貴重や・・・
売るために健康より見た目を優先する姿勢はあかんな。
ペットのためにも飼い主のためにも。
そらさん、ありがとうございます!そうなんです。絶妙にかわいい色合いですよねww。お鼻も肉球も同じピンクなんです。
↓本当にそうですよね。売る側だけでなく飼い主側にもリテラシーが求められますよね。
>売るために健康より見た目を優先する姿勢はあかんな。
>ペットのためにも飼い主のためにも。